れないの落書き帳~レジデントには早すぎる~

うどん食いながら医学の勉強をほったらかし酷道せめたりプロデューサー業したりする、オタキングを首になった男のブログです。低頻度の更新。Twitter:@Renais_F

【医学部CBT】底辺医学生が何とかCBTを乗り切ったお話【勉強法】

お疲れ様です、Renais_F です。先日医学部医学科四年生がみんな受けるCBT が私の大学でも行われ、自分も受験したんでその勉強法なり何なりを書いていきたいと思います。 タイトルにも書きました通りこれは底辺(およそ下位10%)を想定しております。先に私のスペック書いときますね。

・地方駅弁国立医学部
・一浪
・臨床講義の再試験数 9/16
・基礎系も解剖こそ優だったものの他は可。再試験地獄。
......まあちゃんと数えてないんで何とも言えませんが下位10番には入っているでしょう。 一時期はブービーにいたこともあります。
そんな奴にもCBTは平等にやってくる。これはヤバい。幸いこれは全国規模の試験、 ネットに情報があるはず。そこでどうしたらいいか調べる。
しかし、google などで「CBT 勉強法」などと検索しても、少なくとも自分に有益な情報はほとんどなかった。
というのも、次のような二つのサイトばっかだからです。
・メディックメディア社の宣伝
「いよいよ臨床を勉強するぞー」「CBT、国試ってどんなん?」っていう低学年の人(もしくはマジモンの情弱の人)にとってはとても有用なサイトではあると思います。しかし書いていることといえば、 「CBT には QB と Rb、病みえ!」程度です。国試だとこれにイヤーノートが加わりますかね。 正直これを知らない CBT 受験生はおらんかとおもいます。QB だけでいいのか、他に必要ないのかで悩む人が多いと思うのに......。
・高成績を自慢したい輩のブログ
これが厄介!!【CBTで9割取る方法!】【学年で3位!】
......まー自分の成績を自慢したい輩がいることいること......。先に言っておきますとこれらのブログの方法をマネしても私みたいな層は9割はおろか合格点すらおぼつかんと思います。このブログを書いてる人は普段きちんと勉強しており、病気についてそれなりの知識 を有している、それこそCBTなんてアソビみたいなもんなんです。多分。 一方、毎回再試験でヒーヒー言ってる奴はそれこそ再試直前に過去問を漁るものの、喉元過ぎれば熱さを忘れるんですよね、1 か月したら忘れている。
今回はそんな再試ばっかの輩がどうやって CBT を何とか乗り切ったかを書いていきます。
なお、うちの大学の基準はIRT400(おおよそ67%に相当)でした。これより厳しいところがあるかとは思いますが、この方法でおそらくどの大学基準でも大丈夫だろうっていう点を取れたので問題ないかと思います。

1.成績上位10%
なぜこの記事を読んでいるんでしょうか?嫌味ですかそうですか。 その成績であるのに受かるかどうか不安で不安でしょうがないのでしたら、私は医師ではないし生身で診察もしてないので断定はできませんが、それはおそらく強迫性障害です。精神科で適切な診察、治療を受けてください。
もしくはA領域(基本事項:いわゆる医療倫理)を勉強しましょう。A領域、ちゃんと得点できてる?落第生の俺に負けちゃあかんよ?非常識な僕が言うのもなんですが常識を磨きましょう。

2.クラス内成績上位50%
あなたはもう受かっています。
今までの勉強法で何の問題もありません。
おそらくいろんな人からQBをやろうと言われてると思います。
言われた通りQBをやれば受かります。臨床のセンセーの方々の言葉も思い出していけば高得点とれるかもね、知らんけど。

3.クラス内成績下位50%

落ちる可能性がわずかですが、あります。
とはいえ次の輩(≒私)の層よりかは落ちる可能性は低いです。安心して、しかし油断せずじっくり取り組みましょう。

4.クラス内成績下位10%以下の人、留年を経験した人
落ちる可能性が一気に跳ね上がります。 友人や先輩からの「まあ何とかなるよ」という言葉は無視しましょう。 彼らの言葉にまあ悪意はないでしょうが、生存バイアスがかかっています。本当に落ちます。危機感を持って下さい。この記事はあなた方のために書いています。
前節が長くなりましたが勉強法を書いていきたいと思います。

結論から言いますと、やっぱりQBです。というよりこれ以外のことをやっている余裕はありません。
ただし、他の人よりかはこなさなければならない回数が増えるものと思ってください。なんせ普段勉強してないので。相場が2、3周なので、プラス1周で3、4周と考えておいた方が無難です。期間としては、一か月半から二か月程度です。以下どのようにやるべきかを回別に書いていきます。

なお、QBはVol.2,3から解くようにしてください!!!(最重要)

Vol.2,3は臨床事項であり、最も出題が多く、最も重い分野です。(D:臓器別35%,E:全身の疾患28%の計63%)

これを終わらせてからB:社会医学、C:基礎医学などのあるVol.1に取り組んでください。


【QB2,3 1,2周目】
目安:2週間で1冊*2=1ヶ月
1周目
まず何もわからんと思います。いえ、解き始めても点が取れないのは中間層も同じかもしれませんが、底辺層はまず何を書いているのか分からん。
AS?765オールスターズ?高槻やよいがどうしたって?あっ、大動脈弁狭窄症のことか、へー。rhonchi?論外。
こんなザマでは解くこともままならん。
ですが
“とりあえず解いて解説のみ読む!”
ことに徹してください。
ここでは病みえとか開かない。キリないんで。まず疾患のキーワードを抑えていきます。とりあえず「この疾患はこんな感じなんかー」というのを抑えます。

2周目
ここからが本番です。1周目はいわばこれの予習です。
解説の内容を確実にするためにノートを取ってください。この際に解答解説では納得できない部分、知らない部分が出てきます。これを補完するために病みえを開き、確認します。必要に応じて病みえのintro.,MINIMUM ESSENCEをまとめていくといいでしょう。なお、その後ろの各論事項はQBに出てきたところを読み、まとめるといいでしょう。全ての事項をまとめると流石にキリないです。

なお、解説の中にはやたら項目の多い表みたいなのがデンッ!!!とはっつけてるものもあります。(ウイルスの分類、Crohn病と潰瘍性大腸炎の区別etc...)そういったものはいっそコピーし、大事な部分、鑑別に使える部分をマーカーで引く方が効率的です。時間かかるんすよね表を写すのって。

同様に重要なCTやMRIの画像、病理像はコピーしてノートに貼り付けましょう。所見だけノートに書いてもイメージしにくく、QB、病みえの参照ページを書いてもどうせ開かんので。

 

3/25追記:今年からQBはonlineのみになりました。QBコピーしてノートが使えないんですかね。病みえやその他の本で見つけて貼る方が手間なようで手っ取り早いかも。スマホのスクショをプリントアウトすると小さいんですよね。

国試の勉強でいい方法見つけたらまた更新します。

 

なお、ここで便宜上1周目、2周目と分けましたが、実際は血液1→血液2,神経1→神経2,皮膚1→……とやっていきました。
これにより、キーワード忘却前に知識を定着させる、解説読んでわかった気になっている状態をぶっ壊せるといった効果があります。

と、まずはQBのVol2,3を1,2周終わらせてください。
まとめるとこんな感じです。
・1周目は予習、各疾患のキーワードが何があるかを知る。
・2周目が本番。QBを解き、解説をノートにまとめる。病みえで知識の補完。
・循環器1周目やったら次の日に2周目と呼吸器の1周目……という感じで1,2周目を並行してやる。

【QB2,3の3周目とQB1,4の開始】

QB2,3 3周目
目安:2週間で2冊
必要な知識の多くはどこかで見た状態になりました。ここからは確実に「解けるか」をチェックします。当然当たった外れただけでなく、「なぜその選択肢が間違いなのか」も意識しましょう。
この演習にはQB onlineがとても便利です。また、循環器、呼吸器、消化器とまとめて演習できる、シャッフル演習できるといったメリットがあります。
もしくはノート機能を使ってミニ問題を作るのも手かもしれません。

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また、Vol.2,3を一通り見た時点でVol.1,4も並行して演習しましょう。

Vol.4
目安:1週間で1冊*2周=2週間
多肢選択、四連問が載っている、非情にヘビーなやつです。
多肢選択は問題自体は一部除いて簡単なので2,3の復習になるはずです。てんかんシリーズなどのように新しく出てくるものもあるのでそれはノートに付け足していきましょう。
四連問はなかなか難しいです。特に第一問がしんどいです。何度も死んで覚えましょう。QB2,3解いてる時に意識してないことも多く、知ってる病気でも得られる知識は多くあります。新たな知識もぶっちゃけ多いのでこれもVol.2,3のノートの該当する疾患の場所に付け加えましょう。付箋が便利。
多肢、四連問ともにVol.2,3と並行しながらやるといいでしょう。午前はVol.2,3、午後は四連問ってな具合で。

なお、念のため言っておきますとごく稀に「Vol.4は要らないよ」とかほざく輩がいますが、
“Vol.4は絶対に必要です。”

四連問に慣れるという以前に、Vol.2,3で取り上げられていない疾患があるからです。当然こう言った疾患からもコア・カリキュラムに載っている以上五択は作られますのでキチンと勉強しましょう。多肢も同様です。

Vol.1
目安:1,2週間で2周+苦手なとこもう2周
基本事項、社会医学基礎医学が載っています。おそらくVol.2,3,4よりかはとっつきやすいかと思います。
社会医学は常識的な問題も多く、基礎医学はどの大学でも進級が厳しく、いやでも勉強しなければいけないのでどれも初見ということは少ないからです。Vol.2,3,4のスキマ時間に解くという感じで大丈夫かと思います。最終的には2周くらいですかね。もちろん科目によって得意、苦手が分かれるかと思いますのでその分野は3、4周しましょう。

まとめるとこんな感じ
・Vol.2,3をもう一通り解く。
・それに並行して多肢、四連問を開始
・空いた時間、臨床の勉強に飽きたらVol.1

【QB模試】
QBを買うと模擬試験が好きな時に1回受けられるようになっています。必ず受けておきましょう。ただし、「とりあえずQB一周終わったからとーこう」とやると後悔します。
QBは八割がた完成したという段階で受けてください。受ける時期も重要です。目安としては本番の7-10日前がいいでしょう。学内の受験者がおおよそ受けるのがこの時期だからです。
これより早いと人数があまりにも少ないので学内でどの位置にいるかわからなくなります。
逆にそれより遅いともし合格に達する実力じゃないとなった時絶望します。
まあQB模試は難しいという相場で、本番で存在する新作問題がこれにはないので本番より低く出る(5-10%)みたいですが……。
ただし、あとで言う理由により、巷でよく言われる新作問題による底上げに期待しすぎるのも危険です。

なお、その他の模試(TECOM,MEC)ですが、受けるに越したことはありません。回数こなせば進捗がわかるというモンです。私はQBのみで一回だけしか受けなかったのは不安でしたがまぁ値段が高いし……。
メディックメディア社にはQB模試を課金でもう一回受けられるようにしてほしいものです。

【Vol.2,3の復習】
模試である程度取れてる人(70%以上)は、まあ知識のメンテナンス程度に、それを下回った人or学内の基準を下回った人はそれこそVol.2,3をもう2周する勢いで取り組んでください。QB二日で一冊終えられるはずなんで総復習しましょう、マジで。
ぶっちゃけこの時期になると飽きてきます。鬱にならない程度に頑張ってください。模試で合格点ある人はぶっちゃけ気晴らしに遊びに行ってもええと思うよ?俺も行ってたし。
ただし、QB onlineで知識のメンテはして下さい。1日最低200問くらいは解いておきましょう。
合格点ない人は、まあ言われなくてもやるとは思いますが最後の悪あがきというか、詰め込みをしてください。

【Vol.5は必要か】
結論をいいます。Vol.5は必要だと考えています。
ぶっちゃけVol.5から出ることはあまりないでしょう。私の場合1問もなかった気がします。この巻は新作問題、つまり去年採点除外になった問題です。ぶっちゃけ100%分かる問題と全く分からん問題の二極化しています。前者はすでにVol.2,3で学習済、後者はみんなできないのでIRTにあんまり影響しません。
では何故必要か。
本番の問題はQB冊子と比べて地味に難しいです。正確にはQBのまんま7割、少しひねった?的なのが2割、何これ?が1割、つまりQB以外からも出るのです。そして新作は何これ?率が高い。そう行った奇問を見た時にパニクらない、鼻ほじりながら「はいはい採点除外」とでも言う練習だと思ってください。
もちろん必ず解けないといけない問題もあります。「見たことあんのに間違えた!」→Vol.2,3でその分野を復習。また、周回を重ねすぎると解答を覚えてしまっている可能性があるので、別の問題で本当に理解しているか確認することもできます。
ちなみに先ほど申し上げました「採点除外に期待しすぎるな。」の理由、察しのいい人ならお気づきだと思います。新作問題は難しい問題だけじゃなく簡単なモノもあり、難しい問題が採点除外で省かれるのと同様に、簡単なものが解けてても得点にならないこともあるからです。

まとめると
・難問対策(メンタル強化)
・既存の知識の再確認
の点でVol.5は役に立ちます。

さらっと取り組みましょう。4日もありゃ終わります。
ただし当然ですがVol.2,3が間に合わん時はそっちに集中してください。
(おそらくVol.5不要論の大元は、Vol2,3を優先せよというのに尾ひれがついて極端に不要とまでなったものだと思います。実際消える問題が多いせいでそもそも出にくいのもありますが......。)

 

......ということで一通り書くべきことは書いたかと思います。おおよそ一か月半から二か月かかるものと持ってください。

以上、いつ何を解けばいいかごちゃごちゃになってきたかと思いますのでまとめます。

(私の進行状況です、本番の日や学内試験の状況に合わせて読み替えてください。)

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参考までに左に試験などの日程も書きました。うちの医学部ではCBT前に一か月ほどCBT準備期間で休みになるのですが、まあ見事に法医学の再試験でその期間が短くなったということで。実際この時期QBの進捗が遅くなっていたので上の目安は長めに出ているかもしtれません。まあどんなに遅くとも一か月半前には始めたほうがいいでしょう。うちの大学では11/13試験日に対し、夏休み明け(8/24)からQBを解き始めているような感じでした。


おそらく「オーバーワークだろ!!!」とか「これより少ない量で受かったぞ。」とかあるかもしれませんが、
・底辺(基礎知識欠落)が
・確実に(ギリギリを狙わない)
受かるためなので多くなっております。

本番当日アタフタしまくり準備万端だったはずなのに......という状況でも受かるというのが目標です。
実際、武勇伝ならいくらでもあります。
Vol.4なしで合格フツーにいます。7日で受かったとかいう人います。なんなら同期でVol.2しかやらずに合格してしまった人もいます。
そしてネットは広大です。武勇伝はどんなにレアケースでもたくさん生まれてくるのです。(ブログの中には10日で合格という非現実的なものもありました、本当に受かったんでしょうけど……。)

しかしその影には大量の死体の山がある。

しっかりと対策して確実に受かってください。QBが一通り解ければ高得点ではないにしても、受かります。
最後にこの手のサイトでは恒例の成績開示。

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どうだ!この全く自慢できない、中の下の、平凡な成績!!!
ということでIRT490,得点率78.62%
合格するという目標から考えたらややオーバーキル気味ですかね。試験受けて分かってはいましたけど四連問死んでますね。ハハハ。
しっかしなんか癪ですね。英語のセンターが現役、浪人ともに筆記で188,リスニング48、骨学実習試問が79点となんか下1桁が8,9点が並ぶこと多いんですよね。第二生理学も68点。組織学に至っては4回の試験全部58,59点で再試験に回されましたし。
IRT490ももう少しで500ですし、正答率も8割に2%足らず。ま、受かればええねん。
とりあえず底辺でもQBを極めれば中間の成績を取れるということで。
本当にQBを信じてください。QBだけで受かります。(本当は病みえも要りますが。)
皆さんの健闘をお祈りいたします。